傘寿(さんじゅ)80歳のお祝の熨斗(のし)について
ご長寿祝い「傘寿(さんじゅ)祝い」の熨斗(のし)
80歳のお祝いの名称は「傘寿(さんじゅ)」といいます。
「傘」の略字が八十と読めることが由来です。
傘寿の読み方は「さんじゅ」です。
お祝いをしようと思っても傘寿祝いの熨斗(のし)の正しい書き方がよく分からないという場合もあるかとると思います。
また、熨斗にかける水引きの種類はなにがよいのでしょうか。
そこで今回は、傘寿祝いの熨斗についてご紹介します。
「のし」「水引」「のし紙」とは?
一般的に現在ではのし紙全体を「のし」と言っていますが、本当の熨斗(のし)は祝儀袋やのし紙などの右上にある飾りのことです。
飾りの中に入っている長細い黄色いものはアワビです。
昔から高級食材とされているアワビは、かつてはご祝儀袋や大切な贈り物に添える「熨斗(のし)鮑(あわび)」として使われていました。
アワビは栄養価が高いため「食べれば寿命が伸びる」とも言われる縁起物。アワビそのものも20年程度生きる長生きの貝であることなどから長寿や繁栄をもたらす縁起物とされ“お祝いの気持ちを込めた贈り物”のしるしとされたようです。
このアワビを「のしあわび」と呼び、省略されて「のし」と呼ばれるようになったようです。漢字では「熨斗」と書きます。
「傘寿祝い(80歳のお祝い)」の熨斗(のし)
表書きの書き方
「御祝」や「祝傘寿」「傘寿お祝い」などとします。
四文字の表書き(「傘寿御祝」など)は「死文字」と呼ばれ、お祝いの場面では避ける方も多いようです。
「祝」のみ少し大きめに書き、そこから少し離して「傘寿」と書く書き方もあります。「長寿祝」「寿福」とすることもあります。
下段には、表書きよりも一回り小さな字で贈り主の名前を書きます。濃い黒の毛筆や筆ペンを使用しましょう。
複数人の場合は連名、もしくは人数が多い場合は子供一同、孫一同、親戚一同でもいいでしょう。
3名までの連名の場合、右から左へ、目上の人から順に書きます。友人数名で贈る場合はあいうえお順に書くのが一般的です。
傘寿祝いの熨斗に文字を書き入れる時は、毛筆もしくは筆ペンを使いましょう。
ボールペンや万年筆を使うのは正しい書き方ではありません。
水引(水引き)は蝶結び
結婚祝いや快気祝いなど「一度きりにしたいお祝い」では結び切りの熨斗を使いますが、長寿のお祝いは何度繰り返してもめでたいものですから、蝶結び(花結び)の熨斗を使います。
古くは、品物に掛け紙をし、「水引」という紐でくくって贈り物をしていました。現在では、水引ものしと同じく、のし紙に印刷されています。
水引には「結び切り」と「蝶結び(花結び)」があります。
長寿祝いには、簡単に解けて何度でも結び直せることから、くり返し祝い事があるようにとの願いを込めて、「蝶結び(花結び)」を用います。水引の色は、めでたいことを表す紅白(赤白)や金赤、金銀などが適しています。
あわびのはなし
80歳の傘寿祝いは一生に一度しかないお祝いのため、「結び切り」と勘違いをされてしまう方もいらっしゃるようですが間違えないようにしましょう。
贈る相手と親密な間柄であるならば、のしの形式にこだわらず、ラッピングをしてリボンでも問題ありませんが親しくても熨斗をつけるのが一般的なマナーと言われています。
「傘寿祝い」をいただいた場合のお返しは?
傘寿祝いを含む長寿祝いは他のお祝いとちがって基本的にお返しつまり内祝いは必要ありません。感謝の気持ちで十分です。
遠方の家族や親せきの場合はその日のうちに電話で感謝を伝えたいものですね。
傘寿の方の友達を呼ぶ場合や仕事関係の方や遠方の親戚などからお祝いをしていただいた場合は、いただいた金額の半分程度の品を用意するのが一般的とされています。
基本的に1カ月以内にはお返ししましょう。
お返しを贈る場合の熨斗(のし)の表書きは「内祝」。
水引きは「紅白の蝶結び(花結び)」。
手紙やメッセージなども添えると更に感謝の気持ちが伝わります。
- 2022年09月15日
- 熨斗(のし)について(マナー、種類、表書き)
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